この世に生まれた者は、必ず命を終える定めがあります。
しかし、浄土真宗のご本尊である阿弥陀如来(南無阿弥陀仏)という仏さまは、私たちの人生に、いつでもどこでも寄り添ってくださります。往生された故人の生涯も、現世に遺された私たちの人生も、ともに限りない阿弥陀如来のはたらきに抱かれており、深い悲しみをご縁に阿弥陀如来ま智慧と慈悲を味わわせていただきたいものです。
浄土真宗の門信徒にとっての葬儀は、永遠の別れを告げる「告別式」ではなく、故人をいたみ、遺徳を偲ぶとともに、また会える世界「お浄土」があることを、ともにお聞かせいただくご縁です。
故人は阿弥陀如来のおはたらきでお浄土に生まれ、私たちを導いてくださる仏さまとなられました。
遺された私たちも、同じお浄土に生まれ征く仲間であることを感じられる葬儀を、遺族・親族・有縁の皆さまとともにおつとめいたします。
浄土真宗では「戒名(かいみょう)」とは言わず、「法名」と言います。
「法名」は、仏さまのみ教えに生きることを決意した人に与えられ、仏弟子であることを表します。そのため、お釈迦さまの「釈」の字をいただき、「釈○○」といたします。
法名は生前に「帰敬式」を受式してご門主さまからいただくものですが、故人が帰敬式を受けておられなかった場合は、当住職が帰敬式を行い、葬儀をとりおこないます。
仏さまのご縁に終わりはありません。以降は「初盆」「一周忌」など、み教えにあう仏事を大切にお勤めいたしましょう。