すてられて なお咲く花の あわれさに
またとりあげて 水あたえけり (九条武子さま)
先日、蝋梅を用いるのに不格好に見えた枝を切り、それを新聞紙に包めて置いていました。
そして捨てようかと掴みかかったとき、細い枝から黄色の一輪がちょこっと顔をのぞかせていました。
仏華を生け始めてわずか一年ほどの、私の目にかなわぬと捨てられた一枝の蝋梅。
ふと、阿弥陀様はどうご覧になるだろうかと思った時に、この九条武子さまの歌を思い出しました。
今日、2月7日は如月忌。
阿弥陀様のお慈悲に生きられた、九条武子さまの祥月命日です。
どうやら捨てられるのは花だけではありません。
時には人間も、動物も見捨てられ、切り捨てられてゆきます。
先日は全国各地で 「鬼は外、福は内」の声が。
鬼も、やはり斬り捨てられてゆくようです。
そんな命に涙して「摂取して捨てず」とご一緒くださる。
それが阿弥陀様でした。
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