冷たい雨の降る中、傘をさしてお参りされるご門徒に、頭が下がります。
今日の法話は法務員の摂受くんです。
初々しくも率直な言葉で、聞く人の耳を奪います。
内容は、特別法務員(本願寺から授かるお経の専門家)らしく、親鸞聖人のご和讃
「清風宝樹をふくときは いつつの音声いだしつつ 宮商和して自然なり 清浄薫を礼すべし(浄土和讃)
のお取つぎでした。
阿弥陀様のお浄土は、本来調和が難しい宮と商の二音がお互いを邪魔せず、自然に調和して清々しい音を奏でるとされていること示された和讃です。
雨が傘に当たって音は鳴ります。
「南無阿弥陀仏」が私に当たって、お念仏が出るのです。
今日も阿弥陀さまのすべてを調和させ、包み込む大きなお慈悲を聞かれたご門徒が、それぞれの家路につかれます。
尊き後ろ姿に手を合わせて、お見送ります。
明日はいよいよ坂ノ市本坊の春季彼岸会のご満座です。
皆さん、ぜひお参りください。お待ちしています。
※宮と商の関係について
宮(きゅう)と商(しょう)はそれぞれ五音(ごいん)という聲明(しょうみょう)で用いられる音階名のひとつです。それぞれ宮・商・角(かく)・徴(ち)・羽(う)と名づけ順番に音が上がっていきます。西洋音楽の音階、ドレミ・・・でいうと、例えばハ長調で宮をドとすると商はレになります。この二音を同時に出すと本来なら不協和音となり、調和することがないといわれます。