今年度第一回となる例会は、勉強会と茶話会です。
先ずは本堂でお勤めし、「領解文」を唱和しました。
今回の勉強会は、この「領解文」(りょうげもん)について。
これは先月の総会時に、ご門徒さんから提案されたのでした。
「領解文」とは、
浄土真宗の教義を聞き受けたままを自らの声に出して述べるように、本願寺第八代のご門主である蓮如上人が作られたものとされ、当時の教義の誤りに対して、浄土真宗の正義をあらわしたものでもあるのです。
ご法座の後には、毎回皆さんと一緒に唱和しています。
それが、先般現代人にも分かりやすくする為とのことで
「新しい領解文」というものがご本山より発表されました。
ところが、その内容はなんと教義に背き、誤解を与える非常に危険なものであった為、全国の僧侶やご門徒から反発が起こりました。私もその一人です。
教義を深く学ばれた和上(本願寺の学階で勧学・司教を指した尊称)方も、有志の会を結成し、正しい教義に立ち返るよう声明文を出される事態となっているのです。
このことを、どうやってご門徒にお伝えするべきか・・・
悩んでいたところ、
ちょうど仏壮会員のご門徒さんがSNSでこの問題を知り、
詳しく教えて欲しいとのことで、今回の勉強会のテーマとなりました。
ご門徒と正しい教義を共にすることができ、
またこれに皆さん全員が共感してくださって、
住職として、とても嬉しく有難いことでした。
正しいみ教えを皆で聞けるようにと、私たちのご先祖や歴代住職、坊守はお寺を、本堂を護ってきたのです。
※参考(ぜひクリックしてご覧ください⇀) 新しい領解文を考えてみよう
勉強会の後は、秋の研修旅行の話や来月の庭木の剪定について協議。
そして、お楽しみの茶話会です。
仏様の話から始まって、地域や家族の出来事などにいたって盛り上がります。
領解文を出されたという蓮如上人は、夏はお酒を冷やし、冬は温めてご門徒を迎えたと伝わっています。
そして、平座になってみ教えを聞き受けた心を皆で口にかけては、上人の導きによってお互いに「領解」を正し、み教えに遇えた慶びを深め、味わってきたのでした。
今日は、ここぞとばかり、親戚寺院のご住職がくださったお酒を皆さんと頂きました。
宮城県気仙沼の酒屋さんで、東日本大震災で被害を受け、大切な方に先立たれた悲しみのなかで
浄土真宗に出遇われました。
ラベルには『仏説無量寿経』のお言葉である
「和顔愛語」(わげんあいご)が刻まれていました。
これは阿弥陀さまが法蔵菩薩であった時、
生まれては死に、大切な方と出会っては別れを繰り返す私たちを必ず浄土に生まれさせ、
仏様としてみせると誓い、永きご修行に励まれているときの様子を表したお言葉なのです。
厳しく苦しいはずの修行の最中にも
「これを修めたら、また一歩衆生を救える仏に成ることに近づける」
どんな時も修行を
「積みかさねましょう。負げねえぞ」(ラベルには気仙沼)
と、お覚悟は厳しく、
お顔は和やかにして言葉は慈愛に満ちてあったというのです。
そして、ついに阿弥陀如来となられましたというのが私たちのご本尊であり、み教えを聞く要なのです。